柏洋通信Vol.79

【日本ガラスびん協会主催のヨーロッパ視察に行ってきました。その②】(11/2)

791.JPG

◆工場の入口には「ガラスびんの最も優れた供給者になる」との強いメッセージとともに、安全、品質、コスト、サービスなどの目標が明確に掲げられています。

792.JPG

◆工場見学を前に、コーヒーを飲みながらフランクな雰囲気の中で説明を受けました。

793.JPG

794.JPG

795.JPG

796.JPG

◆工具やデリバリー類が徹底的に整理・整頓されています。正に5Sのお手本です。

797.JPG

◆機械現場のクリーン度は特筆ものです。今回も驚かされました。

798.JPG

◆安全が最優先。なぜなら、安全こそが生産性と品質向上の基盤だからです。

799.JPG

◆表示は一目見ただけで理解できるよう徹底的にビジョアル化されています。これは省エネに関する内容です。

 10月21日の午後、ベネチアを後に空路オランダのアムステルダムに向かいました。
 アムステルダムは既に晩秋の色濃く、木々の紅葉も進み落葉が始まっていました。
 翌日はいよいよガラスびんの先進工場の見学です。
 アルダーグラス社ドンヘン工場はアムステルダムから車で1時間半程の田園地帯に位置しています。
 この工場は4年前にも今回と同じ日本ガラスびん協会主催の視察旅行で訪れています。
 その際には日本発の5S活動を積極的に取り入れていると事前に聞いていたのですが、 当社を含む日本のガラスびん工場を遥かに凌駕する現場のクリーン度や、徹底した整理・整頓の状況を目の当たりにし、大いに驚かされたことを未だ鮮明に覚えています。
 尚、ドンヘン工場の大口ユーザーは世界的なビールメーカのハイネケン社で、設備の概要は以下の通りです。

  窯  色   溶解能力(㌧/日) ライン数
  1  透明   260        2
  2  緑    340        3
  3  透明   380        4

 まずミーティングルームでドンヘン工場の概要や、アルダー社が取り組んでいるTPM(Total Productive Maintenance)、 5S活動などについての説明を受けた後、工場内の見学に移りました。
 一歩工場に足を踏み入れると、4年前よりもさらに5Sの進んだ現場を目にし、思わず「わあ、きれいだ!」の声が出てしまいました。
 ガラスびんの製造工程では金型に離型剤を塗油する作業が欠かせません。
 そのため離型剤が飛散したり油煙となって立ち上ったりと、周囲が油で汚れることが半ば常識となっています。
 ところが、ここでは相変わらず機械場の床には油が飛散した後はありません。
 ISマシンにも油や埃が付着しておらず、工場全体が非常にクリーンな状態に保たれています。
 しかも汚れがよく見えるよう、床は白系のペンキで塗装されています。
 塗油の間隔は当社より長いとも感じましたが、それ以上に従業員人ひとりの5Sに対する意識の高さが感じられます。

 そもそも5Sとは日本発の活動ですが、ドンヘン工場では自分たちの実情に合うよう独自の解釈を加え、標語も全てSから始まる英語に改編しています。
 1、separate(整理) 2、sort(整頓) 3、sweep(清掃) 4、sustain(維持する) 5、standardize(標準化する)  4と5は日本では清潔、躾という言葉を当てることが多いのですが、標準化する、維持する、という方が、本質を理解しやすいのではと感じました。

 こうしたことの背景には、「To be The Best Glass Packaging Supplier(ガラスびんの最も優れた供給者になる)」というビジョンを全ての従業員が共有し、 全社で取り組んでいるTPM活動にあることは明白です(ドンヘン工場はグループ内で最も評価の高いとのこと)。
 TPMとは(これも日本発の管理技術です)全員参加による品質と生産性の向上を実現するための取り組みですが、 アルダー社ではその中心には常に「自ら考え、行動する人」がいなくてはならないと考えています。
 言いかえれば主役は最新の設備やシステムなどではなく、あくまで「人」なのです。
 彼らは「Round Table Team(円卓会議)」と呼ばれる職場ごとの小集団活動を行い、ボトムアップで課題を抽出し、改善へとつなげています。
 5Sも同様の自主的な改善活動だと考えると、彼らがことさら重視することが納得できるでしょう。
 そして最後にOHPに映し出された「Excellence is not a Skill. It is an Attitude(他に抜きんでるということは技術的に優れていることではなく、 何事にも真摯に向き合う態度にある)」というフレーズに、ドンヘン工場の強さの源があるのだと理解できました。
 実に学ぶことの多い工場見学でした。










代表取締役社長
七島 徹